感染のメカニズム

HIVに感染すると、HIVが血液、精液、膣分泌液、母乳に多く含まれるようになる。最近では、腸から出る腸粘液にもHIVが含まれると言われている。一方で、唾液、涙、尿などの体液は他の人に感染させるだけの十分なウイルスが含まれていない。

粘膜や血管に達するような皮膚の傷にHIVを含む体液が直接触れると、感染の可能性がある。傷のない皮膚からは感染しない。そのため、HIVは日常生活の中で感染するようなものではない。HIV感染はセックスが主であり、その他には覚せい剤使用時の注射器の回し打ち、母子感染などがあげられる。

また、HIV検査を受ける場合には、血液中のHIV抗体やウイルス量が十分に増えていないと、これらを検出することができない。そのため検査で確実な結果を受け取るには、感染の可能性のある行為があった日から60 〜90日あいだをあける必要がある。この期間をウインドウピリオドと呼んでいる。

HIVのウィルスを含む体液

HIVは体のどこから感染する?

粘膜は傷つきやすく出血もしやすいため、HIVの感染が起こりやすい。場所としては、直腸、口、鼻、まぶた、そして尿道などがある。特に直腸や尿道の粘膜は薄くなっているため、傷がなくても感染が起こる可能性がある。

またペニスは、亀頭と陰茎をつなぐひだ(陰茎小帯)、亀頭のカリのすぐ下や、包茎の亀頭に被さっている皮膚(包皮)に、HIVが取り込まれやすい細胞がたくさん存在し、皮膚も非常に薄いため、摩擦による細かい傷から感染する可能性がある。

特に注意したい粘膜や皮膚
前へ
2/2
column1
基礎知識

 データで見る、ゲイ・バイセクシャルとHIV/エイズ 情報ファイル