手記1 HIV陽性のイメージ

HIV陽性の人たちに自分たちの経験について、書いてもらいました。

咳が治まらなく続いていて、友だちに会った時に「ダメ、アンタ。今すぐ病院に行ってらっしゃい!」と言われたのがきっかけでした。結核と診断されて即入院。その病院でHIV検査を勧められ、結果は「陽性」。あれから12年が経ち今でも生きのびていますが、少しでも発見が遅れていたら、今はなかったかも、と恐ろしくなります。
50代・ゲイ・HIV+

「エイズになったら死ぬ」そう思っていたから、検査に行かなければと思いつつも先延ばしに。「どうせ陽性なら死ぬんだし、だったら知らずにすごした方がいいや!」と。具合が悪くなってから告知を受けるのはつらいことでした。同じ告知を受けるのであれば、体が弱っている時よりも元気な時の方が精神的にも体力があるので、受け止めやすいように思えました。
30代・ゲイ・HIV+

「ゴムつけて」って言ったら、「大丈夫だよ、オレ検査受けてるし。そっちも大丈夫でしょ?」そんな風に言われたら、本当の自分のこと言えないよ。 感染してしばらくはエッチする気は起きなかったけど、やっぱり誰かとつながりたい。
20代・ゲイ・HIV+

約2ヶ月近くの入院生活。自分の体に起こる変化が怖かったり、服薬による副作用、そして自由にならない自分の体へのいらつき、悔しさが続いていた。そんなある日、看護師の一人が夜勤明け、病室まで来てくれてこんな事を言った。「私はまだ看護師としては新米で、あなたの病気のことも勉強していかないといけない事もやまほどある。でもあなたの今かかえていることを少しでも解りたいの」そのとき、僕は自然と自分を語り出すことができた。自分自身をさらけだして、泣きじゃくって、やっと自分自身をまっすぐに見ることができるようになれた気がした。
30代・ゲイ・HIV+