相談の現場から
HIV/エイズへの治療技術は大きく進歩している。検査で陽性という結果が出たとしても、長生きできるための薬や治療法が開発されている。感染しても、すぐに死ぬ病気ではもはやないと言える。
しかし、「HIVに感染すること=死」という古いイメージによる不安から感染した可能性を無視していると、エイズを発症してしまうことがある。HIVに感染して放置しておくと、身体の免疫力が徐々に下がる。
感染していたとしても、早めにそのことに気づくことが、とても大切となっている。
セーファーセックスの方法というと、コンドームを使うことを思い浮かべる人も多いかもしれない。確かに、アナルセックス、フェラチオなどでは、コンドームを使うことによってHIV感染を防ぐことが可能で、これが最も確実な方法だ。また、他の病気で感染経路が同じである、B型肝炎、C型肝炎なども予防することができる。C型肝炎は、セックスで感染したという事例報告が、複数の専門医療機関から出されている。
コンドームを使うことがどうしても難しいというときは、感染の可能性を減らすための方法を考えてみてはどうだろう。「ハームリダクション」、害(ハーム)を減らす(リダクション)という考え方がある。しかし、最も確実なのはコンドームだ。コンドームにも新商品がぞくぞくと発売されていて、「意外といい!」という声も多く聞く。まずは楽しみながら試してみてはどうだろう。それと、「痛いの〜」という人には、水性のローションがおすすめ。また、コンドームを痛めないシリコンオイルもあるようだ。