HIVマップ・アーカイブス エイズ予防のための戦略研究 MSM首都圏グループのヒストリー

「HIVマップ」は2007年に開設された、すぐに役立つHIVの総合情報サイトです。2007年度〜2010年度までは「エイズ予防のための戦略研究(研究リーダー;市川誠一)」の首都圏における支援・啓発プログラムの一環として制作運営されました。
現在は、MSM首都圏グループ(ぷれいす東京、akta)が運営しています。このページでは、この取り組みの前身である
戦略研究がどのような取り組みだったのかを、首都圏での活動を中心にご説明します。
研究リーダーからのご挨拶 エイズ予防のための戦略研究の終了に際して 市川誠一(名古屋市立大学 教授)
 HIV感染症は、早期から複数の治療薬の服用を開始することでエイズ発症を抑えられるようになり、10年以上を経過しました。しかし、エイズを発症してHIV感染を診断される患者の報告は未だ増え続けています。これは、HIV感染症の現状に社会が向き合っていないため、早期の検査で感染を知り、治療を受けることでエイズ発症を抑えることに至っていないからと考えています。そしてHIV感染者、エイズ患者共に、日本では男性同性間の性的接触による感染が大半を占め、それぞれの報告数の増加が続いています。
 エイズ予防のための戦略研究では、首都圏、阪神圏でのこうした現状を改善するために、ゲイ・バイセクシュアル男性が利用する商業施設、雑誌・webなどのメディア、スポーツや音楽のサークル活動など多くの方々の協力をいただいて、HIV/エイズに関する啓発普及を2006年より展開してきました。ご協力いただいきました皆様方に心より御礼申し上げます。1985年に日本で初めてのエイズ患者として男性同性間の感染が取り上げられて以来、男性同性間のHIV感染対策を重要課題として5年間にわたる啓発を中心とした大型予算での取り組みは初めてのことでした。
 2011年3月末日をもって戦略研究は終了しましたが、ゲイコミュニティでのHIV感染への取り組みは依然として必要です。戦略研究の5年間の成果・結果をふまえ、かたちは変わりますが、取り組みを継続しています。
 そして、NGOやNPOの啓発・サポート活動の促進を支援し、コミュニティの様々な方々とのネットワークを広げ、一人ひとりの健康(HIVに感染していても、いなくても)を大切にしていくコミュニティを形成するアプローチを継続していくことが必要と考えています。今後とも皆様のご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。

「エイズ予防のための戦略研究」とは?

目標と研究の枠組み

「エイズ予防のための戦略研究(以下「戦略研究」)」はエイズ予防対策の更なる推進を図るため、厚生労働科学研究費補助金(エイズ対策研究事業)の研究課題として、平成18年度から平成22年度まで実施されました。この研究には男性同性愛者を対象とする課題1と一般住民を対象とする課題2のふたつがありました(課題2については、平成20年度で中止)。5年間の成果目標は、

  • HIV抗体検査の受検者数を2倍にする
  • エイズ発症者数を25%減少させる

のふたつです。戦略研究の課題1では、首都圏と京阪神圏の2地域に分かれて行われ、首都圏ではこれらの目標を達成するために、

  • ゲイ・バイセクシュアル男性(以下「MSM」=Men who have Sex with Men)に訴求する啓発プログラムの開発・普及
  • 啓発により受検者が利用しやすい環境整備と、MSMへの理解ある対応ができる検査体制の拡大(特に、社会的な偏見、差別を受ける可能性が高いMSMが受検しやすいように、セクシュアリティに配慮した検査・相談体制が必要です)
  • HIV検査受検の不安軽減を図る相談体制や検査で陽性が判明した受検者への相談・支援の確保

を計画しました。また、首都圏で活動しているNGO/NPOが中心となり、

  • MSMの利用する商業施設(ゲイバーやショップ、ハッテン場など)やマスメディア(ゲイ向けを含む)、サークル(スポーツサークル、音楽サークルなど)等とのネットワーク構築
  • ウェブサイトやアウトリーチキャンペーンを通じての広報
  • MSMに向けた予防・検査・相談・治療に関する情報提供
  • MSMを積極的に受け入れる検査機関を確保するための研修の実施
  • 陽性告知を受けた人の相談サービスへのアクセスを改善することで、受診を支援

などに取り組みました。

実施団体と取り組み

首都圏では、

の4つのNGO/NPOが中心となり、研究事業を展開しました。ここ、「HIVマップ」も、首都圏での活動の成果によるものです。
その他の活動については、以下のリンクからご覧頂けます。

キャンペーンサイト

※スクリーンショットをクリックすると、各キャンペーンサイトが別ウィンドウで開きます。なお、以下のキャンペーンはすでに終了したものを記録として再掲しているものです。

MEN-Doキャンペーン   Club Campaign for 2008 World AIDS Day REAL  Living Together   伝える(オリジナル、夏の思い出)
MEN-Doキャンペーン
HIV/エイズをめぐる、ちょっと面倒な、
だけど大切な調査キャンペーン。2008〜2010年に実施した首都圏のゲイバーでのアンケート、クラブ・アンケート、Living Together計画やスポーツサークル・音楽サークルにご協力頂いた携帯電話アンケートの結果を見ることができます。戦略研究の活動が、皆さんにどれだけ知っていただけているかも、このキャンペーンで調査されました。
 
Club Campaign for 2008
World AIDS Day REAL
Living Together
首都圏のゲイ・バイセクシュアルにむけた、クラブ・キャンペーン。4冊のブックレットとコンドームを配布しました。
(連絡先、配布店舗等の表記は2008年当時のものです)
 
伝える(オリジナル、夏の思い出)
ゲイシーンで人気のイラストレーターが手がけたe-cardを送れるサイト。e-cardには「HIVマップ」の紹介も。(現在e-cardを送信することはできません)
できる!キャンペーン2009   できる!体験談募集BBS   できる!キャンペーン2010
できる!キャンペーン2009
寄せられた体験談をもとにつくった「12 STORIES」と、HIV/エイズをめぐる9つのリアルを伝える「FACE TO REAL」で構成されるキャンペーンサイト。
カレンダーとカードセットを作り、クラブでの配布キャンペーンも展開しました。
(連絡先等の表記は2009年当時のものです)
 
できる!体験談募集BBS(準備中)
早期にHIV感染に気づき、エイズ発症を予防することを呼びかけるキャンペーン
「できる!」の初期キャンペーン。
HIV陽性者や、その周囲の人たちの体験談を2009〜2010年に募集しました。
(現在体験談の募集は受け付けておりません)
 
できる!キャンペーン2010
「SEXできる!」「すぐできる!」「話ができる!」「ストップできる!」の4つのできる!をキーワードに展開したキャンペーンサイト。HIVやエイズに関する情報や相談先、検査情報に簡単にアクセスできます。
2ヶ月ごとにリーフレットとポスターを作り、新宿・新橋・上野・浅草・渋谷・横浜など、各地のゲイバーやショップ、ハッテン場などで配布しました。
(保健所等の情報は2010年当時のものです)

キャンペーンサイト

※PDFに掲載されている問い合わせ先は、現在使われておりません。お問い合わせは info@hiv-map.net(担当:柴田)までどうぞ。

REAL   Face To REAL   ボクライフ
REAL
2007年制作。ゲイ雑誌3誌とのコラボレーションを元に、この街で暮らしているHIV陽性の人たちの語りや、ぼくたちのHIVをめぐる事実を集めてみました。
 
Face To REAL
Club Campaign 2008制作。この冊子は、今、ぼくらがHIVをめぐって、どんなところに立っているのか、わかりやすい言葉で伝えるために作られました。
 
ボクライフ
Club Campaign 2008制作。ゲイシーンにデビューするユースに向けたスタートノート。友だち、恋愛、HIV。これからのボクらにとって、知っておきたいことが書かれています。
ReadyGO!!   This is Hope   データで見る、ゲイ・バイセクシャルとHIV/エイズ情報ファイル
ReadyGO!!
Club Campaign 2008制作。ろう者にHIV/AIDSに関する情報をスムーズに伝えられるかを考え、「わかりやすい!」「これなら理解できる!」と思ってもらえるものを作りたい。そんな思いからできた冊子です。
 
This is hope
Club Campaign 2008制作。薬物、アルコール、セックスなどの依存症とHIVについて、セクシュアルマイノリティを対象にして作られた冊子です。さまざな依存症当事者の手記と、依存症に関する分かりやすい解説が掲載されています。
 
データで見る、ゲイ・バイセクシャルとHIV/エイズ情報ファイル
HIVについて情報を集めたり、相談をしたりされたり、検査を受けようとする、 そんなあなたを応援するためのツールです。
Face To REAL 2009(さわやか)   Face To REAL 2009(エロス)   TOMARI-GI
Face To REAL 2009(さわやか)
できる!キャンペーン2009制作。Face To REALをリニューアル。いま知っておきたいHIV/エイズのことを分かりやすくまとめたカードセットです。ゲイ雑誌で人気の漫画家さん・イラストレーターさんの爽やかイラストで、スポーツ大会等で配布しました。
 
Face To REAL 2009(エロス)
できる!キャンペーン2009制作。Face To REALをリニューアル。いま知っておきたいHIV/エイズのことを分かりやすくまとめたカードセットです。ゲイ雑誌で人気の漫画家さん・イラストレーターさんのちょっとエッチなイラストで、ゲイバーやクラブ等で配布しました。
 
TOMARI-GI

バーからの情報発信をサポートする、HIV/エイズの最新情報マガジン。お客さんからHIVやエイズについてのお悩み相談を受けることも多いという、ゲイバーのママさんやマスター、スタッフさんに向けて、2008年冬から季刊で第10号まで発行しました。

活動紹介

※スクリーンショットをクリックすると、各サイトが別ウィンドウで開きます。

Think about AIDS        
HIVマップ・リポート
戦略研究メンバーによる、活動報告blogです。現在更新はされていませんが、2009〜2011年の活動の様子が紹介されています。
       

関連サイト

※スクリーンショットをクリックすると、各サイトが別ウィンドウで開きます。

Think about AIDS   できる!チャンネル   エイズ予防財団:研究報告
Think about AIDS
Tokyo FMと戦略研究のコラボレーション。さまざまな著名人がラジオの電波に載せた、手記のリーディングと感想をお楽しみ頂けます。
 
できる!チャンネル
できる!キャンペーンのYouTubeチャンネルです。HIVにまつわるファクトや、街の人たちへのインタビューで得られたリアルな声を、動画で紹介しています。
 
エイズ予防財団:研究報告
公益財団法人エイズ予防財団HP内、戦略研究に関する詳細な報告書が掲載されているコーナーです。様々な結果報告をPDFでご覧頂けます。

首都圏での取り組み

戦略研究の取り組みは重要であると評価され、2011年度よりコミュニティセンターの運営とそこを拠点とする予防・検査情報の普及や、「HIVマップ」の運営は、厚生労働省によって事業化されました。詳しくは、HIVマップについてのコーナーをご覧ください。

なお、戦略研究のふたつの成果目標(HIV抗体検査の受検者数を2倍にする、エイズ発症者数を25%減少させる)の達成状況については、現在結果をまとめているところです。今後の更新でおしらせします。

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